春の花達が終わりを告げ、新しい季節の花が畑を彩取りだした。
今日は、やけにビッと姿勢の良い花が目についた。
よくよくみると、立て札に男爵芋とかいてある。
『ほほー君がイギリスからやってきたという男爵さんですね。
粉吹き芋やらコロッケでお世話になってるホクホクのお芋さんですね。』
プリプリと張りのある上品な薄紫色の花びらを眺めながら、
昔々の理科の教科書を想いだしてみる。
あれれ?
確か教科書のジャガイモの花は白じゃなかったか?
いやいや、それも思い込み。
ジャガイモの種類によって、花の色は赤っぽいのから紫っぽいのまで色々あるのだ。
男爵くんを眺めながら、芋の祭典に集う様々なジャガイモ達を想像する。
きっと『これがジャガイモー!?』っていう顔の子もいるに違いない。
世界は広い。
一部を切り取って知ったふうに気取ってたら、大きな世界は絶対に見えて来ない。